早くも表面化してきた各メンバー間の確執の中、やっとの思いで仕上げたニューアルバム" the house of blue light"をリリースし、ツアーを開始します。まず1月27日から ( 26日からという説もあります )ヨーロッパツアーを開始、5月にはアメリカにいきますが、このアメリカ・ツアー中、5月30日のフェニックスでのステージで、リッチーが指を負傷した事から、これ以降の日程はキャンセルされます。そのあと再びヨーロッパを回りますが、とうとうこのツアーでは日本公演は行なわれませんでした。
この年の音源を収録したオフィシャルライヴ、" nobody's perfect"には、結果的にアメリカツアー最終日となってしまったフェニックスのステージも収録されています。
 no number budapest |
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またまたコピー盤ですが、魅力あるセットリスト、迫力の演奏でこのツアーの音源ではベストの1枚でしょう。2001年にリリースされたオフィシャル・ブートレッグ・ボックスにも収録されたもので、ツアー開始2日目のハンガリー、ブダペストでのライヴをコンプリート収録しています ( 曲間のフェイド・アウト、カットが若干あります )。オープニングのSEで、リッチーが" shadow of the moon"アルバム中の" magical world"で取り上げたクリスマス・キャロル、"wassail"のインストルメンタルがかかります。
なかなか迫力のあるオーディエンス録音です。ヴォーカルが少しオフ気味になる部分もありますが、全体としてはまあまあのバランスで収録されていると思います。ただ、やはりアナログ盤のコピーのため、スクラッチノイズが気になる部分があります。
演奏は、ツアー始めということもあって、なかなかテンションの高いものになっています。2曲目、" strange kind of womanの掛け合いでは、バッハの「主よ人の望みの喜びよ」のフレーズが出て来ます。このパターンは、たしか" coloured purple"というタイトルのテープ ( おそらく2月4日のドイツ、ドルトムントでのライヴ音源。同名のアナログ・ブート、CDのコピー盤がありますが、同一音源かどうかは確認していません )でもやっています。この年のツアーは、1984年、1985年のツアーよりも、各メンバーの即興が充実している印象を受けます。オフィシャルライヴ" nobody's perfect"では、その辺があまりうまく伝わってこないような気がします。
この日はアンコールを多くやっていて、これも聴き所となっています。なかでも、" call of the wild"が演奏されたのは珍しく、この他のライヴ音源では2月27日、ストックホルムでの演奏を収録した" call of the wild"というアナログ盤にリッチー抜きの演奏が収録されているのみです。ただ、このアンコール、ブダペスト3公演分を集めてるのではないかという説を、" live cassette analysis"の著者は述べています。
 RSB 23225 Cologne |
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これもアナログで出回っていたものです。しかし、これを出した業者が当局の取り締まりにあって没収されたため、出回ったものは多くないらしいです。私も、アナログ盤は1回しか見かけたことはありません。ヨーロッパツアー中盤の2月8日、ドイツはケルンでのライヴを収録しています。このライヴはオーディエンス・ショットのビデオも存在するそうですが、未見です。
オーディエンス録音で、音質、バランス共にまあまあです。演奏も、各メンバー共かなり気合いの入った所を聴かせてくれます。ギランの調子はいま一つですが、それをカバーする気合いはすごいものがあります。ドイツでのステージということで、いろんな曲のアドリブにドイツ国歌が顔をだします。" space truckin'では、リッチーのギター・クラッシュがあります。残念なことに、このギター・クラッシュのあと、エンディングがカットされ、フェイドアウトしてしまっています。この年のツアーで他にギター・クラッシュをやっている例としては、アメリカ・ツアーのデトロイトを収録したプライベート・ビデオがあります。
Darker Than Blue 017-018 Cologne |
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ジャケットのクレジットでは1988年8月25日に行なわれたケルンでのライヴを収録したとされていて、このページでもこの日付のまま、当初1988年の項で掲載していたものです。しかし、1988年に"The Unwritten Law"をプレイしているというのも不自然だし、"Live Cassette Analysis"に掲載されている1988年のケルン公演のテープの記述でもセットリストが異なっていたりと、再検証の必要を感じてました。今回、改めて聴き比べた結果、上記"Ritchie's Dream"で収録されている、ケルン公演と同じ演奏である事を確認いたしました。ということで、日付データの訂正をすると共に、掲載ページもこちらへ変更いたしました。
上記"Ritchie's Dream"はオーディエンス音源で、当時としては聴きやすいものでしたが、こちらはサウンドボード音源が収録されています。バランスはなかなか良いと思いますし、音質もそれほど歪みを感じる事もなく、聴きやすいものとなっています。サウンドボードのため、ギランのアラが多少目立ちますけども、バンド全体の演奏としてはかなり気合いが入ったものとなっていて、楽しめる録音だと思います。オーディエンス音源ではフェイド・アウトしていた"Space Truckin'"のエンディングもちゃんと聴けます。しかし、アンコールの3曲は"Black Night"のエンディングと"Smoke On The Water"のイントロしか収録されておらず、"Speed King"は丸ごとカットになっています。この為、アンコールはオーディエンス音源で聴くしかありません。
このヨーロッパ・ツアーは2月一杯続き、3月はイギリスでコンサートを行っています。イギリス・ツアーの音源は、アナログでリリースされていた3月3日のウェンブリーのステージを収録したものをはじめとしてCD-Rでもいくつか出回っています。アナログ盤は音質自体はなかなか良かったのですが、プレス・ミスで回転ムラがあり、聴きづらいものもありますので、中古を探すときは要注意です。イギリス・ツアーのあと、5月からアメリカツアーが始まります。
 CDF 951022 los angeles |
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deep purpleのライヴCDではあまりお目にかかれない、ライン収録の音源です。5月23日のロス・アンジェルス、アーヴァインでのステージが収録されています。この演奏は、オフィシャル・ライヴ"Nobody's Perfect"に使用されていることで有名です。アーヴァインでは前日の22日にもライヴが行なわれており、こちらはオーディエンス録音のテープが出回っているようです（未聴）。このオーディエンス音源ではアンコールに" black night"ではなく、" woman from tokyo"をプレイしています。
" dead or alive"は最初に出回ったCDですが、" bad attitude"、" child in time"の2曲を落として、一枚モノとしてリリースされました。このテープは当初、アンコールを含まない90分程度のものが流出したようで、その後、アンコールの部分がオムニバス・アルバム" bible II"に収録されました。その後、アナログ盤で出回っていたアイテムを盤起こしで収録したボックス・セット"Ritchie's Box"で、初めて全長盤として" locked in a paper cage"がリリースされています。このボックスに入っていたアルバムはほとんどがバラ売りもされていましたが、この" locked in a paper cage"だけはバラ売りされず、このボックスの売りの一つとなっていました。その後、CD-Rでもリリースされています。
同じ音源ならば全部音質は同じかというとそんなことはなく、" dead or alive"あまりいい状態で録音されているとはいえません。バランス、音量とも安定せず、過大入力で歪みが出る個所もあります。このような「おいしい」音源の場合、初期の流出段階で提供者が故意に音質を落としたり、収録曲を欠いた形で流通させることはよくあるようです。後にアンコールを含めてリリースされた" locked in a paper cage"の方が、後発の強みか、音質もオフィシャルに近く、CD-Rを含め、この音源を収録しているCDの中では一番聴きやすいと思います。
この日のステージでオフィシャル・ライヴ"Nobody's Perfect"に使用された演奏は次のとおりです。
この一週間後、5月30日のフェニックスで起こったリッチーの骨折でアメリカツアーが中断します。この日の音源は、アンダーグラウンドなものはテープを含めてまだ出回っていないようです。リッチーの回復を待って、8月には再度ヨーロッパツアーを開始します。
Darker Than Blue 003-004 Milan 2 September 1987 |
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