第四楽章だけですが、現時点で聴く事ができるアーベントロート最初期の「第九」録音となります。ゲヴァントハウス管を指揮した、RRGの放送用録音のディスクから起こされたもので、針音などのスクラッチノイズがあります。この頃、アーベントロートはゲヴァントハウス管の首席指揮者を勤めており、シーズンの最終である12月31日には必ず「第九」を演奏したのだそうです。これは、それを放送用に録音したのだと思われます。録音自体はあまりバランスが良くなく、アーベントロートならではの迫力をあまり感じませんが、テンポなどは戦後の録音でも聴けるスタイルを伺う事が出来ます。もう少し録音が良ければ合唱の響きももっと堪能出来ると思うのですが。